生理不順・月経痛・更年期障害の漢方
生理不順・月経痛・更年期障害の漢方
生理痛、生理不順、更年期障害など、女性特有のトラブル。
漢方ではこれらを「血の道症」とも呼びます。
血流やホルモンバランスの改善に使われる主な漢方、特徴、
効果、飲み方、注意点などを解説
スポンサードリンク
生理不順のおもな対策・漢方薬
生理の周期が不安定、通常より早くきすぎるor遅くなる、期間が短いor長い、など、
症状もさまざまですが、漢方ではこれらに加え、経血の量、色、質、
など、も加味し、総合して判断します。
また、生理のトラブルだけでなく、それ以外の病気があるかどうかによっても、
治療方針が異なり、生理周期の段階によっても扱う生薬を変えたりします。
特に周期が不定期の場合、関連する臓器は腎、脾(消化器)、肝である場合が多く、
八味地黄丸(ハチミジオウガン)
八味地黄丸(ハチミジオウガン)は、
腎の機能が弱く、下半身の虚弱がある場合に使用。
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)は、
脾の機能が悪く、経血量が多く、疲れやすいなどの症状をともなう場合に使用。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
加味逍遥散(カミショウヨウサン)は、
肝の機能が悪く、乳房の痛みや精神的ストレスをためやすい場合に使用。
生理痛のおもな対策・漢方薬
漢方では、2つの場合を考えます。
「通じなければ痛くなる」ケース と、「養えなければ痛くなる」ケース。
■「通じなければ痛くなるケース」は、
血や気のめぐりが悪いために痛みを生じるので、
血行を改善させたり、気の乱れを解消させます。
膈下逐瘀湯(カッカチクオトウ)
膈下逐瘀湯(カッカチクオトウ)が、
代表的な漢方薬です。
温経湯(ウンケイトウ)
温経湯(ウンケイトウ)は、
冷えが強く、経血量も多い場合に、オススメです。
■「養えなければ痛くなる」ケースは、
もともとエネルギーや血液不足で体力がないので、生理が起こることによって、
ますます体力を消耗し、腹痛になることが多いようです。
なので、激痛というよりシクシクと痛み、生理中や生理後に痛みを生じる場合が多くなります。
右帰丸(ウキガン)
右帰丸(ウキガン)は、
経血が少なく、めまいや耳鳴りがある場合に使用。
黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)
黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)は、
虚弱体質で、お腹が冷えやすい場合に使用。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)は、
貧血気味でむくみをともなう場合に使用。
更年期障害のおもな対策・漢方薬
更年期障害は、その症状や度合いにも個人差があります。
漢方ではもともとの体質や生活環境に加え、のぼせや発汗、動悸やめまい、倦怠感、不眠、
など、それぞれの具体的な症状にあわせ、対応します。
年齢的には閉経を迎える前後の45~55歳くらいの間に起こるものですが、
閉経とともに症状が落ち着くのも特徴のひとつです。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
加味逍遥散(カミショウヨウサン)は、
イライラして怒りっぽくなるケースに使用。
抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)は、
気分にムラがあり、胃腸虚弱をともなう場合に使用。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)は、
手足の冷えが強く、頭痛や腰痛などがあるときに使用。
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)は、
のぼせ症で頭痛やめまいをともなう場合に使用。