風邪に効果のある漢方薬
風邪に効く漢方薬
風邪はウイルスの感染
最近では、風邪はウイルスの感染によって起こる。ことは、良く知られています。
そのウイルスの種類や強弱によって、また、その人の体質によって、
起こる症状は様々となります。
風邪を治す薬はない
風邪に限らないのですが、ウイルスを殺す薬はまだ発見されていませんので、
西洋医学では、
熱が出たときは、→・・・・・・解熱剤、
咳が出たときは、→・・・・・・鎮咳剤、
鼻水や鼻づまりの時は、→・・・抗ヒスタミン剤、
というふう に症状を一時的に抑えて楽にするのがカゼ薬です。
風邪薬の作用
薬で少しでも症状を抑え、体力の消耗を少なくして、
自然治癒力で風邪のウイルスをやっつけて治して行きます。
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漢方薬での風邪の治療方法
漢方薬の風邪の治し方は、
風邪の様々な症状や、その人の体質・ウイルスの強弱 (病気の勢い)を判断して、
そのウイルス自体を追い出す方向で治療を行います。
風邪の初期症状に
漢方では、初めは皮膚の表面から風邪の病邪が侵入し頭痛、発熱、悪寒、身体痛、など
を引き起こします。
この初期症状段階では、汗で追い出す治療を行います。 これを発汗法と言います。
この発汗法を行う 処方も十数種あり、体質や症状によって使い分けます。
葛根湯（カッコントウ）もこの発汗して病邪を追い 出す薬の代表です。
また、若くて体力のある方は、風邪の初期には昔から言われているように
たまご酒を飲んで暖めて汗を出す方法も有効です。
少しこじれた風邪症状に
また風邪がこじれて来た時、すなわち皮膚表面から病邪がより深く進入した場合は、
発汗法をすると体力を消耗するだけでかえって治りにくくなりますので、
病邪を尿や便と伴に排泄する治療や
病邪と戦う抵抗力が衰えている時は抵抗力を回復するような薬を使います。
風邪に処方される漢方薬
風邪の初期症状によく使われる処方
麻黄湯（マオウトウ）
体力があり頭痛発熱悪寒し汗がでないときの腰痛関節痛を伴う風邪に用います。
桂枝湯（ケイシトウ）
あまり体力がなく、頭痛発熱悪寒し自然と汗がでる時の風邪・鼻炎・
妊婦の風邪に用います。
葛根湯（カッコントウ）
体力ある人で発熱悪風し項から背にかけて凝り汗がでていない時の風邪の初期・
中耳炎・扁桃腺炎・蓄膿症などに用います。
小青竜湯（ショウセイリュウトウ）
発熱悪寒頭痛しで汗がでない時で、多尿・鼻水・むくみ等の症状がある時の
喘息・腎炎・蕁麻疹・湿疹・アレルギー性鼻炎などに用います。
少しこじれた風邪によく使われる処方
柴胡桂枝湯（サイコケイシトウ）
鳩尾あたりが痞えたような感じがし､食欲なく頭痛や関節痛があるときの風邪・
胃潰瘍・胆石症・腹痛などに用います。
小柴胡湯（ショウサイコトウ）
脇腹から鳩尾にかけて不快感や痛みがあり､胃がつかえて食欲なく口が苦くなったり
舌に白い苔ができ、熱が出たり悪寒を繰り返すような時の風邪・肝炎・中耳炎・
扁桃腺炎などに用います。
柴胡桂枝乾姜湯（サイコケイシカンキョウトウ）
喉が渇いたり唇が乾き小便の出が悪くなり、頭から汗が出たり寝汗をかくときの風邪・
胃潰瘍・蕁麻疹・腎炎などに用います。
抵抗力つける為によく使われる処方
補中益気湯（ホチュウエッキトウ）
虚弱体質で疲れやすく手足の倦怠感があり、食味も判らなく汗かき易くなっている
ときに用います。
参蘇飲（ジンソイン）
胃腸の弱い人で､胃が痞えて張り、発熱頭痛する風邪に用います。
漢方での風邪の原因は３種類
漢方での風邪の原因は､大まかに次の３種類に分けられます。
風邪の治療に使う漢方処方 は沢山あり、その人の体質・症状によって使い分けます。
その１
風邪の初期症状では頭痛・発熱・悪寒・身体痛・肩こりなどが主訴で、
クシャミ・鼻みず・鼻づまりを伴い、麻黄湯・桂枝湯・葛根湯・小青竜湯など を用い、
少しこじれてくると柴胡桂枝湯、小柴胡湯・柴胡桂枝乾姜湯などを用いるようになります。
その２
いわゆるインフルエンザ（流感）と呼ばれているものや、麻疹（はしか）、風疹、なども
風邪と呼ばれる症状の仲間に入ります。
頭痛・発熱・悪寒の外に、体の熱感やはげしい咽痛などを伴うこの風邪は、
暖めて汗を出すとかえってひどくなります。
その３
抵抗力がないためにいつも風邪を引いていて、症状は余り激しくなくグズグズした風邪。
この場合は抵抗力をつけることを目的に補中益気湯・参蘇飲・等を用います。
こういった方には汗を出すと余計体力を消耗するので､たまご酒のような方法は適していません。
