漢方薬と生薬の種類

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インフルエンザと漢方薬

整理中資料

インフルエンザと漢方薬

新型インフルエンザ

 2009年4月にメキシコから発生した新型インフルエンザは、
 その後、世界中に拡大していきました。

 日本でも10月頃から急激に感染者数が増加し、死亡例も出ています。

 インフルエンザの治療薬としては、
 抗ウイルス薬であるタミフルやリレンザが広く知られていますが、
 漢方薬も古くから用いられています。

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漢方薬インフルエンザについて

風邪やインフルエンザに効果のある漢方薬

 風邪インフルエンザといった感染症に対して、
 以下に示すような漢方薬が使用されています。

 ・基礎疾患のない一般成人
   葛根湯(カッコントウ)・・・首のうしろや背中が痛む場合
   麻黄湯(マオウトウ)・・・・頭痛や全身の筋肉関節痛がある場合

 ・高齢で虚弱体質の方
   麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

 ・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)がある方
   桂枝湯(ケイシトウ)
   小柴胡湯(ショウサイコトウ)
   苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)

生薬:麻黄(マオウ)

 葛根湯(カッコントウ)
 麻黄湯(マオウトウ)
 麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
 には、麻黄(マオウ)という生薬が使用されています。

生薬:麻黄(マオウ) の副作用

 麻黄には、エフェドリン*という成分が含まれており、
 虚血性心疾患や甲状腺機能亢進症がある方は、
 これらの漢方薬が使用できないことがあります。
 その場合は、麻黄の含まれていない漢方薬が用いられます。

 *エフェドリン: 気管支を広げて呼吸を楽にする、血圧を上げる、
          心臓の収縮力を高める、心拍数を上げる、等の
          効果がある成分です。

麻黄湯(マオウトウ)

麻黄湯(マオウトウ)

 先に挙げた漢方の中でも特に効果が強く、
 インフルエンザに古くから用いられてきた「麻黄湯

 麻黄湯(マオウトウ)は、抗ウイルス薬と一緒に用いられたり、
 抗ウイルス薬が使用できない場合に単独で用いられたりします。

麻黄湯、4種類の生薬

 麻黄湯には4種類の生薬が配合されています。
 麻黄(マオウ)  : 鎮咳作用(せきを抑える)、抗炎症作用、抗アレルギー作用
 桂皮(ケイヒ)  : 発汗・解熱作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用
 甘草(カンゾウ) : 抗消化性潰瘍、抗炎症作用、抗アレルギー作用
 杏仁(キョウニン): 消化管運動促進作用、鎮咳作用

麻黄湯のはたらき

 ウイルスが体に侵入すると、
 インターロイキンやTNF(腫瘍壊死因子)等の発熱物質が出て体温が上がります。
 ある一定以上まで発熱するとウイルスを死滅させ、増殖を抑えることができます。

 私たちは自分の持っている力でそこまで体温を上げることができないので、
 足りない温熱を産生させるために麻黄湯を用います。

 麻黄湯を服用すると一度体温が上昇しますが、
 その後、汗をかくことによって熱は自然に下がります。

麻黄湯の服用タイミング

 インフルエンザは、のどの痛み、鼻汁といった上気道の症状とともに、
 さむけ、発熱、全身がだるい、筋肉痛関節痛頭痛といった全身症状が短時間に発生します。

 麻黄湯(マオウトウ)は、これらの症状がでそろう前、
 できるだけ初期に服用すると効果的とされています。

麻黄湯を服用する時の注意点

 麻黄湯を服用すると、どんどん汗が出て、脱水状態になる可能性があります。
 服用の際は、水分(温かいもの)を十分に摂取してください。

 もし全身から流れるように汗が出だしたら、服用を中止しなければなりません。
 また、湿疹や胃腸障害(下痢吐き気胃もたれ)などの症状も同様です。
 これらの症状があらわれた際は、必ず医師、薬剤師にご相談ください。

漢方エキス剤の飲み方

漢方薬の飲み方

 複数の生薬から煎じた液を顆粒あるいは細粒にしたものをエキス剤といいます。
 漢方薬は、本来、煎じ薬(液体)で服用するものです。
 したがって、エキス剤(細粒)はできるだけお湯に溶かして服用する方が
 よく吸収されて効果的であることがわかっています。

 また、お湯に溶くことで、漢方薬の風味を感じることができます。
 苦手という方も多いかと思いますが、
 漢方の苦みや香りそのものが効果を高めるといわれています。

エキス剤をお湯で溶かし、温かいまま服用?冷やして服用?

 漢方薬の種類や体の状態によって
 温かいお湯のまま服用した方が良い場合と冷やして服用した方が良い場合があります。

 風邪やインフルエンザの際に使用される様な漢方薬は、
 体を温めるものですので、お湯に溶かして温かい状態で服用すると良いでしょう。

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